日本の中小企業から大手企業まで、だいたいが技術系と事務系の円満な関係の事務所は少ない。
日本はどちらかと言えば、事務系“ゼネラリスト”が大きい権限を持つところが多い。
ゼネラリストの意味を調べてみると、「分野を特定しない広範囲な知識・経験を持つ人。（管理職、マネージャー、プロデューサー、起業家、事業家etc/）」をいう。
対して対義語として技術系を表す“スペシャリスト”とは「特定の分野に深い知識や優れた技術をもった人。
専門家（エンジニア、デザイナー、マーケッター、ディレクター、営業、経理、研究員 etc.）」が上げられる。
　技術系の会社では、担当マネージャーとエンジニアは扱う事の違いで、互いに冷ややかな関係に発展することが多くある。
担当マネージャーは、数値で手離れが良く高収益を得る仕事が広がる事を求め、
一方、エンジニアなどは、今現状よりも大きな成果のための精密で効率的な作業の構築を求める、
ここで双方の温度差が生まれるくる。
　技術系の職人作業の多くは主観のイメージよりも物理的にはどうしても動かせない部分が多くある、突然のスケジュール変更、仕様変更はストレスになる。それは、互いの分野が技術系と事務系の違いだからだろうか。
求める最終目標は皆、深く、広くなのだから、技術系は、「狭く、深く｣→第2工程は「それを、より広く」の目標で、事務系は「広く、浅く」→第2工程は「それを、より深く」だから、互いに入り口が違うだけで、出口は同じということになる。
　技術系としては、この変化に無条件に対応し予想外の成果を生むきっかけとなる事もあるし、反対にだめになる場合もある。運試しか、野生の勘か…。
良いバランスで仕事を進めるには、互いに最終目標を常に忘れないでいくことしかない。
　曖昧さの文化の日本で物事に白黒つけるのは、スペシャリストの｢狭く、深い｣を｢広く、浅く｣へ転化させる作業だから明確な方向性が伴わないと結局興味本位のとっちらかした結論になる。
　もし、天才肌の技術者の仕事のことなら、尚のこと理解するには深すぎる。世間の理解できない嫉妬心や競争心から下世話な話へ行きがちになる。
　この先、仕事、職場においていっそう個人に多くの足かせが生まれ、ゼネラリストとスペシャリストの二刀流か、それ以上の適応能力が求められていくのか。自由度が多様化していく一方で、リスクも比例して高くなり、この競争社会で生き残るために、より優れた個人の判断基準とバランス感覚を発達させていかないといけない。
そのための戦闘思考力の鍛錬が必要なのか。
　自分の場合、経験値は高いが、知識と教養が低いから、ネット社会の到来はある意味、それを補える助け船になった。一昔前に僕が生まれていたら、そうとう苦労の多い人生だったのかも知れない。
落ちこぼれと、変わり者は変わらないけど…。
　SNSやブログなどでの、仲間や相談など、今後も重要なツールになっていきそうだ。